カリビアン・サンダンス ワンポイントレッスン

スティール・パンソロと吹奏楽がコラボしたダンサブルな曲「カリビアン・サンダンス」
今回はスティール・パン奏者でもある長木谷麻美さんにスティール・パン演奏のワンポイントレッスンをご紹介します!

ワンポイント・レッスン
皆様こんにちは。スティールパン奏者の長木谷麻美です。今日は皆さんに、カリビアン・サンダンスを楽しく弾いていただくために、いくつかポイントをお話しします。
はじめに
スティールパン(以下パン)の音階の配置に驚くと思います。きっとパンを弾く方は打楽器の方が多いと思いますが、打楽器を弾くのとパンを弾くのは別物と思ってください。
※右はローテナー・パンの配列参考図
見た目とは裏腹に南国をイメージさせる透明で繊細な独特な音色は、カリブの風の爽やかな風を届けてくれるでしょう。様々なメディアでも取り上げられ、ディズニー映画「リトル・マーメイド」の代表曲「Under the Sea」等、耳にする機会は多くなってきました。
4~5人のスティールパンとドラムやパーカッションなどで編成されるスティール・バンドから、大編成のスティール・オーケストラまで編成は多種多様です。吹奏楽などのジャンルでもスティールパンが加われば、南国を表現することのできる魅力的な楽器でもあります。
演奏は専用のマレットを使用しますが、スティールパンの表面にある大小さまざまな膨らみがそれぞれ音程を持つことで音楽を奏でることが可能になります。ぜひ、体験してみてください!

ローテナー・パン配列参考図 【ローテナー・パン配列参考図】

音のイメージ
この曲に取り組むとき初めて弾く方にとっては‘パンを鳴らす’ということが最重要課題と言えます。パンを鳴らすのは新しい感覚だと思ってください。
パンはとても繊細な楽器なので打楽器のように弾くと、バーンと割れた音がなってしまいます。そして楽器に負担がかかり音程も変わってしまい、いい音とはいえないものなので注意しましょう。パンは叩くのではなく「弾く」というイメージで演奏してください。
叩きかたのポイント
打楽器だと肘を張るポーズが基本になりますが、あまり肘を張りすぎず、自然な姿勢で楽器に向き合いましょう。 そして、腕から振り落とすのではなく手首で小さく動かす感じです。手の動きは、縄跳びを回すときに少しにているかもしれません。縄跳びを回すとき、ひょいひょいと軽く回しますよね?そのような感じの脱力が大切です。スティックを握りすぎないこと。握るとパンの音が飛んでいきません。つまむぐらいの感覚がよいでしょう。※画像参照

実際に弾くときは体に力を入れないことです。 パンの独特の斜めになっている角度となれない楽器で体に力が入りやすくなるのでよく注意してください。 弾いた時にベストの感覚は、弾いた時の感触が気持ち良いこと、そして弾いたその音が気持ちいいことです。”美味しい音”とも言えるでしょう。そして、高い音と低い音のテンションが違うので、しっかり聴き比べてできれば高音に行く度に晴らすスピードを早くしてください。どうしてもはじめの方は力が入ってしまい、音が割れてしまうことがあります、注意しましょう。(もちろんそれが音楽的な時もありますが。)

スティックを持つ力加減画像【基本グリップ】

手順について
できるだけ右側に来る音は右手で、左は左手で弾く事をおすすめします。バラバラだと手がこんがらがってしまい、余計に難しくなってしまいますよく質問されますが、例えばF#やDbのように向かって上側に来る音は、手をひっくり返す※【悪い例、良い例参照】ことなくそのまま弾いてください。手の形は基本変わらず弾くことが大切です。向きが難しいと思うのでよく練習することをおすすめします。

スケール練習(音階)
私はよくスケールの練習をします。これはまんべんなく楽器を鳴らしておくという点で大切なポイントなのですが、フレーズの練習やパンの音を鳴らす大切な練習にもなります。 そしてスケール練習をしておくと、曲を練習するのが早くなります(これは個人差がありますが)この曲だと基本のキー(調)はEbのスケール(変ホ長調)になりますね。

曲の歌い方
panを弾くとき、少なくとも私は歌をうたうような気持ちで弾いています。パンが自分の体の一部のように感じ、曲をどう歌いたいかが重要になってきます。最初のカデンツァはゆっくり、タップリと歌ってください。自分だけの間を作り、自分の音楽を作ってください。音に表情をつける気持ちで弾くことも大切です。音は生きているので、人間のように感情を持つこともできます。しっかり歌ってあげてください。 滑らかに弾きたいのか、はっきり弾きたいのか、どんな音が鳴っているかをしっかりとパンに耳を傾けて、どんな声を発音しているのか、しっかり聞くことが大切です。 パンはパートナーです。パートナーがどのように歌えているのか感じ取ってください。 パンを弾く感覚というのはすぐに身につくものではありませんが、耳を傾けることはだれでも簡単にできることです。
何よりもその音にとても魅力のある楽器なので、自分だけのいい音を出せた時に、更に楽器が好きになるはずです。是非実践してみてくださいね。

手の向き悪い例【持ち方/悪い例】 手の向き良い例【持ち方/良い例】
長木谷麻美

長木谷 麻美

(ながきや あさみ)
北海道出身。幼少期より、エレクトーンを始める。中学、高校と吹奏楽部に所属し打楽器を担当。その後2006年洗足学園音楽大学音楽学部打楽器科に入学。入学後にSteelpanと出会い、楽器に触れる。大学卒業後に、Steelpan奏者として本格的に活動を始める。
2008年-2013年Steelband PAN NOTE MAGICとして活動後、2013年九月には単身香港で、The 10th anniversary celebrations for a law firmというイベントに出演。
2012年~2015年には、Steelpanの本番トリニダード・トバゴで本場のpanoramaにsilver stars、codrington pan family steel orchestraなど、現地のバンドに複数参加。2012年,2015年三位入賞。 2015年に世界ではじめて開催されたinter national conference and panorama(steelpan世界大会)でpanorama steel orchestraのメンバーとして日本のバンドとして参加。9位に入賞した。(24バンド中入賞10バンドは8バンドが現地のバンドである。)
ドラマー村上PONTA秀一氏や、バイオリニスト中西俊博氏、シンガー神谷えり氏など、日本を代表するミュージシャンと共演している。